わが国の国民皆保険制度では医薬品の薬価を国主導で決めている。

これは、安価な薬の開発で多くの人が等しく医療の恩恵を受けられる利点と高価な医薬品を創っても売れないので製造しないという欠点がある。このことをドラッグロスと呼んでいる。安価な医薬品は概ね化学合成の工程を経て生産される医薬品であり高価な医薬品はバイオ医薬品である。バイオ医薬品は透析医療の市場では貧血治療薬エリスロポエチンが有名だ。確かに高価ではあるが40万人近い透析患者が使うので市場性があり製造されているのだと思う。さらに、後続品バイオシミラーの登場でさらに価格競争の世界へ突入している。

 

ワクチン開発で有名なRNA技術など高価薬が故に開発が遅れてしまっている事実がある。今後、これらのバイオ医薬品が必要な人は制限されてはいるが個人輸入の道がある。混合診療をさらに推し進め、自由診療によるバイオ医薬品の使用の可能性を拡大して欲しい。さもないと、医療難民が渡米する事態に陥る。