年に1回、開催してきた「透析祭」です。コロナ以降は、開催を中止しておりましたが今振り返ってみると、なかなか良い試みであったと思い、ご紹介させていただきます。
職員も患者さんも患者さんの家族もたくさんの人に参加してもらうため、皆で知恵を出し合いながら企画しました。自分だったら、どんな企画があれば参加したくなるかな? 普段は厳しい食事療法のため、食べることができないもの、家族も参加したくなるような若い世代にも人気の食事メニュー、そこから出てきたのはモスバーガーです!
食事療法にうるさい私もこの日ばかりは、何も言わないこととして、モスバーガーの移動販売車にきてもらい、参加者にはモスバーガー引換券を無料で配布、一緒に参加してくれる家族にも無料券を配布することにしていたため、家族ぐるみで参加する人が多く、皆で交流を深めることができました。減塩で作ってくださいと無理なお願いもし、リクエストに答えていただきましたが、いつもと変わらぬ美味しさでした。
楽しいだけでは終わりません。せっかくの機会ですから、皆で勉強する企画も立てました。少し勉強するだけで、透析に対する興味が湧き、前向きになれるものです。普段何気なく使用しているダイアライザー。未使用のダイアライザーと、これを分解したサンプルを準備しました。この分解したサンプルを十分観察してもらいます。まずじっくり見て、触ってもらいます。
なるほど、この1本1本がストローのようになっており、この中を血液が通っているのね。ふむふむ。
このストローの中に髪の毛を通すことができる人は???
そういうと、皆一生懸命ダイアライザーの1本1本を凝視します。老眼で見えない高齢者をよそに、若い人は髪の毛を通して「やったー」と叫びます。
ここでまた、老若男女のコミュニケーション成立です☺️
このストローの中を自分の血液が通り、ストローの外側の透析液と物々交換して血液が浄化されていく、という仕組みを勉強して学習時間は終了です。
そしておまちかねのビンゴ大会。一等賞は自転車です。当たった人に、運動療法を推奨するつもりでしたが、引き当てた患者さんは「孫にプレゼントできる!」と満面の笑みを浮かべていたので、何も言えなくなってしまいました。懐かしい思い出です。
